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随想コラム 目を光らせて NO.449.,、449-2 [文芸(短歌・俳句) 時事]


 


    随想コラム「目を光らせて」NO.449「朝日歌壇・朝日俳壇から」 


                   「コロナを詠んだ歌人たち」


          


  歌壇  期間:2021.8.1~8.08


 


   涙でず喉が張り裂け血が滲む雪崩の底に


 


    君を見出いだし                    



      題 目: 朝日新聞: 2021.8.01 朝刊         


         (豊橋市)加藤敏信さんの入選作。 


           アオウ ヒコ23-DSC_0067.JPG


  


     「朝日歌壇・朝日俳壇から」


 


  このブログは朝日新聞の「歌壇・俳壇」の入選作の中から最近の事象を鋭い表現


 


  で切り取った作品を「歌壇]「俳壇」交互に精選し、必要に応じて筆者がコメントを


 


  付けています。コメントは文芸上の範を越えることがあります。作品の頭に印を


 


  付けた作品は時の政権が推進する前のめりの右傾化路線や平和憲法を無視し国会の


 


  存在をないがしろにする様を放置しておけぬとする市民の声であり、この悪弊を矯


 


  めたいとする市民の意思表示であるとしてきました。  これらの作品はここでは個


 


 々の作品の文芸上の軽重を問うことなく、全ての作品を本稿に採録してきました。


 


  令和二年一月、何を契機としてその動きが始まったのかは不明として、突如とし


 


  て地球に住む人類を無差別に襲った新型コロナウィルスはいたるところで変容し続


 


  け、世界各地でその猖獗の勢いは止まることなく、ひとの命を損ない、これまで営


 


  々として人類が築いた世界の歴史と文化を根底から覆す様相を呈しています。


 


  朝日新聞の読者たち、とりわけ歌壇・俳壇を支える歌人たちは, この新型コロナ


 


  ウィルスの動きに目を光らせ、自らの感性で人としての声を上げ始めています。


 


  この動きを「コロナを詠んだ歌人たち」として捉え、作品の頭に印を付けて識別、


 


  この疫病がいかに人類社会の日常に深刻な影響を及ぼしたかを見究め、令和2年の


 


  ウィルス禍が人類社会に及ぼしてゆく変化を知るよすがにしたいとしています。


 


  文中敬称は省略しています。(筆者)


 


  朝日歌壇 2021..0

   
12-flo9.JPG

                  



観客のいないコンクール会場で奏者を鼓舞する審査員の拍手


      


                     (北九州市福吉真知子 


アルコール消毒薬を荷揚げする尾瀬の歩荷にただ頭下げ


 


                     (東京都大塚陽子 


ここはどこ助けてくれとコールありかける声なく布団かけ直す


 


                    (横浜市)太田克宏


夕暮れに燕は去ってコウモリは虫をとらえてじぐざぐに飛ぶ                                                            (富津市)川名 興 


ふるさとを遠く離れて長旅の果てのくるみはくるみの木となる                                                                                                                館林市)阿部芳夫  


朝のバス新聞紙読む我一人スマホ信者の中の異教徒                                   (熊本市)柳田孝裕


君の角「恋矢(れんし)というや蝸牛私にもそれがあればいいのに           
           
(川西市) 市森晴絵
ゲストらは観客ではないという論理コロナウイルスには通じはしない
                  
       (東京都)野上 卓
理由なき学術会議任命拒否 政府は人が忘れるのを待つ
         (川崎市)小林冬海
                                     
                          十薬の花咲く庭はひっそりと妻と会えないコロナ禍続く
       (さいたま市)吉田俊治
放射能いまも骨髄ににつきおれば遺骨になりても放射能出す
 
      (アメリカ)大竹幾久子 涙でず喉が張り裂け血が滲む雪崩の底に君を見出いだし
                                            (豊橋市)加藤敏信  

               ★


 


 


      朝日歌壇 2021.8.08    


                


13-flo17.JPG

 


本当は泊りで飯盒炊爨の林間学校の弁当詰める 


           (奈良市)山添聖子

物忘れ自覚するほど進み来て妻に話して記憶預ける


 


        千葉市鈴木一成


人生はいいとこ取りってできないと壁のわが影言いたり雨夜


        (和泉市)長尾幹也           


知らぬ間に今日もどこかであるらしきトーチキスとう秘密の儀式


           (鎌倉市)小笹岐美子


枕詞だけで作った歌のよういつもうつろな総理会見


         (五所川原市)戸沢大二郎


帰省した実家の夜は八宝菜みんな大人でうずらはなしで


         富山市)松田わこ 


従わぬ店とは取引するなとまで言う政権が作る分断    


           (京都市)森谷弘志 


ででっぽう鳴かぬ日さみしでででっぽうないてもさびしふみずきの森


 


        (福島市)美原凍子


 


いつもなら生ゴミ入れるコンポスト初夏豪勢に薔薇があふれる


           


        川崎市)加津美


病負い頭の中はいつも雪ふらつきふらつき世界が白い           


        (和泉市)長尾幹也


               ★


  


       随想コラム 目を光らせてso-netブログ


 


      URL:http://columneye.blog.so-net.ne.j


 


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                 (2021.10.28)


 


 


 


 


 


 

 


 


 


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