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439 子規庵に糸瓜下がれり その昔 家賃五圓に子規は棲みたり*         「コロナを詠んだ歌人たち」           歌壇  期間:2020.11.01~11.29      子規庵に糸瓜下がれり その昔 家賃五圓に子規は棲みたり*                                   *題 目: 朝日新聞: 2020 [文芸(短歌・俳句)時事]


 随想コラム「目を光らせて」NO.439「朝日歌壇・朝日俳壇から 


                      「コロナを詠んだ歌人たち」


          


   歌壇  期間2020.11.01~11.29


 


        子規庵に糸瓜下がれり その昔


 


     家賃五圓に子規は棲みたり


                           


       題 目: 朝日新聞: 2020.11.1朝刊                                         (東京都)長谷川 瞳さんの入選作。



4-DSC_0050-001.JPG                    アオウ ヒコ  


       「朝日歌壇・朝日俳壇から」


 令和二年一月、突如として地球に住む人類を無差別に襲った新型コロナウィルスは世界各


 


地でその猖獗の勢いは止まることなく、ひとの命を損ない、これ まで営々として人類が築い


 


世界の歴史と文化を根底から覆す様相を呈しています。


 


 朝日新聞の読者たち、とりわけ歌壇・俳壇を支える歌人たちは、この新 コロナウィルス


 


の動きに目を光らせ、自らの感性で人としての声を上げ続け ています。この動きを「コロナ


 


を詠んだ歌人たち」として捉え、品の頭に印を付けて識別し,の疫病がいかに人類 


 


会の日常に深刻な影響を及ぼしたかを見究め、令和2年のウィルス禍が人類社会に及ぼして


 


ゆく変化を知るよすがにしたいとしています。文中敬称は省略しています。(筆者)


 


  


         朝日壇 2020.11.01


         


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六人の任命の拒否前例を打破して「悪しき前例」作る

          (観音寺市)篠原 俊則    あなたじゃない拒否されたのは民主主義だ 欠けゆく月が日本を照らす
      
(松山市)岡本 秀美
短命な時の政府の利害超え人に寄与する真理あろうに
 
               
(郡山市)柴崎 茂
俯瞰的総合的に判断し新内閣の評価や如何
  
                
(宝塚市)小竹 哲
ほろ酔いのほろでよいから君といて眺めていたい満月である
           
  
     
(垂水市)岩元 秀人
GoToもわれには無縁九十五の母を看る日々致し方なし
          (岩手県)山内 義廣
子規庵に糸瓜下がれり その昔家賃五圓に子規は棲みたり
          (東京都)長谷川 瞳
富士山の大水楢に食ひ入りて木の粉を噴く木食い虫をり
          
        (熊谷市)内野 修

友達は透明人間顔さえも分からないまま半年経って


 


               (吹田市)赤松みなみ


 


KENZOの花柄ストール翻し闊歩した日々未だ色褪せず


 


           (東京都)板屋ちさと


 


人間が造りしもので橋が一番美しいかたち夕日に染まる


 


           (出雲市)塩田 直也


 


六畳の部屋と小さきパソコンが娘のキャンパスとなりて半年


       


                        (東京都)大庭 恭子                                        


口許にほほえみ残るなきがらをマスクつけたるうからが囲む
               (ひたちなか市)篠原 克彦

自らを献体に出し逝きし叔母家族はおらず葬儀望まず
       (松戸市)加賀 昭人

山肌にうすぎぬを着せけざやかに登山路を見す初雪の富士
     
          (静岡市)鷲巣 錦司
マスクよりのぞく知人の眼と話すページをそっとめくるテンポに
   
(横浜市)原 整子
「学術」も意のままにする強権の令和おじさんの正体を見る
         延岡市)片伯部りつ子
 
コロナ禍で解雇されればパソコンで職さがしつつゲームをもする
        (福岡市)柴崎みちる

パーマOFF白髪染めOFF着々と私の武装解除はすすむ


 


         (佐渡市)藍原 秋子


 


 


 


        朝日歌壇 2020.11.08 


      


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子はタツノオトシゴになる練習をしているとと言う日曜の朝


 


         (奈良市)山添 聖子


 


大漁旗はためく海へなぜ流すうすめたってうすめたってトリチウム


    


         (福島市)美原 凍子


 


ケストナー、ヘッセを焚書せしナチス想はす暴挙任拒否は


        


                 (新座市)菊地 良治


 


友達とうどんすすって語り合う卒業旅行は近い温泉


 


            (富山市)松田 梨子


 


狸森、猿羽根峠に鼠沢もみじうつくしみちのくは秋


 


        (仙台市)沼沢 修


 


眼差しの圧に押されて声を張る対面授業かくて始まる


 


        (仙台市)浅川 照夫


 


「忖度」の次は「俯瞰」の字と意味をせっかくだから皆で覚えよう


    


        (岐阜県)箕輪富美子


 


寒村ののるかそるかの原発に未来預けし福島の今


 


             (福島県伊達市)佐藤 


 


人類史六万年なり十万年保管するてふ原発廃棄物


 


             (羽咋市)北野みや子


 


エアライン運休となり幾千機飛行機墓場に仮眠させたり


 


        (アメリカ)大竹 博


 


いちばんに伝えたいその本人をまえに読むのは叶わぬ弔辞


 


        (堺市)一條 智美


 


政権に歴史に学ぶ人なきか学術会議の人事介入


 


             (入間市)有賀 政夫


 


批判する人は排除ということか俯瞰総合の意味するところ


                     


                        (長野市)弥津 信子


 


たたき上げだからといって国民に寄り添ってくれる訳でなさそう


        


                         (岐阜県)箕輪富美子


 


手を添えて母と夕やけ分けあってずっとつづくと思えた散歩


 


        (彦根市)今村 佳子


             


                     ★


 


         つづく → NO.439-2


 


 


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